確定申告の準備ー領収書等の整理方法ー
いよいよ来月から令和2年分の確定申告がスタートいたします。
皆様準備は進んでいますでしょうか?
1年分まとめての領収書整理や帳簿作成を行われる方は、かなりの時間と労力を使う作業になると思われます。
本来の仕事が終わった後にこれらの作業を行うのは、精神的にも肉体的にもつらいものです。
当事務所でも、去年のこの時期に確定申告のご相談を何件か受けたのですが、帳簿をつけていない方は必ず「何から行えばいいですか?」というご質問を受けました。
今まで帳簿をつける習慣がなかった方や、はじめて事業を開始された方には当たり前の疑問だと思います。
そこで、確定申告の準備として領収書等(領収書、請求書、納品書)の整理方法について書かせていただきます。
1,月ごとに封筒に分ける方法
法人や個人事業主の方で、年間の取引量がそこまで多くない方はこの方法が1番簡単で作業時間もかからない方法だと思います。
封筒は、銀行の封筒やAサイズの領収書がある場合には、A4サイズの入る封筒に月ごとに分けていくだけです。
その封筒に○○月分とペンで記入しておき、1年間で12冊の封筒になりますので一目瞭然です。
この場合、封筒に入れるのは現金払いの領収書だけにして、クレジットカード払いの領収書と口座振り込みの領収書は別にするかクリップで止めて封筒に入れるようにしましょう。
そのようにしておくことで帳簿をつけるときに、現金払い、クレジットカード払い、銀行振り込みと2重に経費計上することを防ぐことができます。
この方法であれば、1年まとめてやったとしてもそこまで苦になりませんが、できる限り領収が出るたびに封筒へ入れていくことを習慣づけましょう。
2,月ごとに紙に貼っていく方法
年間の取引量がある程度ある法人や個人事業主の方には、A4の紙に貼っていく方法があります。
月ごとに、A4の紙にのりで貼っていき、あまり重ならないように貼っていくと確認しやすくなります。
原則、日付ごとに貼っていきますが月ごとに分けてあればそこまで神経質になる必要はなくざっくりで構いません。
この場合も、クレジットカード払いの領収書と口座振り込みの領収書はその月の一番最後にまとめて閉じこんでおくとよいでしょう。
上記の写真のように、ファイリングする場合は左側の部分を少し開けて貼っていくことがポイントになります。
そのように貼っていけば閉じこんだ時にも巻き込まずしっかりと領収書を確認することができます。
このタイプのファイルですと、後ろにファイリングしていけないので1年間貼り終えたらファイリングし、それまではクリアファイルに保存しておきます。
3,領収書ファイルに整理する方法
最後は、市販の領収書ファイルに保存していく方法になります。
最近は、文房具店やAmazonで領収書を整理する専用のファイルが販売されております。
丈夫で透明なポケットに入れていくので、ファイルをめくっていくと何の領収書がどこにあるのか見つけやすくなっており大変便利です。
また、A4の領収書を折らずにそのままの形で収納できるのも領収書ファイルの良い点になります。
ただし、収納ポケット数が多いものや丈夫なものを選ぶと、1冊当たりの値段が結構してしまします。
最後に
3つの整理方法を紹介しましたが、どれが正しいやり方というものではないので自分に合ったやり方で構いません。
また、上記で紹介したもの以外のやり方でも自分に合ったやり方があればそれでもいいのです。
目的は、確定申告書の作成です。
確定申告時期に1年まとめて作業を行うのではなく、毎月行っていくことが作業負担を軽減することにつながります。
最後に気を付けていただきたいのは、税務署へ確定申告書を提出したら整理した領収書は捨てずに保存しておいてください。
原則、個人事業主は7年間、法人は10年間の保存義務がありますので、この期間が過ぎるまでは保存しておきましょう。(令和3年1月現在)