日本政策金融公庫の創業計画書の書き方

前回の投稿から1ヶ月も空いてしまいました。
今年は梅雨が長引き、朝晩の寒暖差が激しく夏風邪をひいてしまいました。
冬の風邪と違って、なかなか体調が完全に戻りません。
自営業の身としては体調管理は仕事をするうえで最も大事なこと。

さて独立開業から2ヶ月、運転資金確保のため日本政策金融公庫から融資を受けようと融資の申し込みをしました。
税理士事務所に勤務していた時も、お客さんから融資の相談、金融機関との折衝、創業計画書の書き方などの相談は受けていましたが、いざ自分が融資を受けるのは今回が初めてなもんで少し戸惑いました。
日本政策金融公庫とは皆さんあまり聞きなれない方もいらっしゃると思いますが、政府が100%出資している政府系金融機関です。
これから事業をはじめらる方、創業間もない方は民間の金融機関より、政府が後ろ盾になり起業を後押してくれているので相談しやすと考えられます。

まず、日本政策金融公庫のホームページから融資を受けたい旨の連絡をし、後日最寄りの支店の担当者から連絡がありました。
担当者からは、どんな事業を考えているのか?なぜ資金が必要なのか?どのくらいの融資金額を考えているのか?等電話で聞かれました。
一通りのことを聞かれましたら、融資申込書、創業計画書、設備資金の申し込みの場合はその見積書、その他添付書類を送ってくださいとのことでした。
上記の書類が届きましたら改めて面接の日時をお伝えしますとのことでした。
融資申込書等は送っていただけますが、ホームページからもダウンロードできます。

創業計画書とは、創業の動機、経営者の略歴、資金の調達方法、事業の見通し等を記載するものです。
勤務時代のお客様も、この創業計画書の書き方に皆さん苦労しておられました。

下記に、創業計画書の私なりの書き方を書いておきます。
この書き方を真似すれば絶対に融資を受けられるというものではなく、一般的な書き方なのでその辺をご理解うえご参考にしてください。

1、創業の動機
 なぜその事業を始めようと思ったのか? その事業で何を目的にしているのか?
 具体的に根拠を示して書くとよいです。

2、経営者の略歴等
 この欄は、職歴や今までの仕事でどのようなことを学び、どのようなスキルを身に
 着けたかを書いていきます。 また、過去の業務経験から資格を取得していればそ
 れらも記載してください。

3、取扱商品・サービス
 これから始めようとする事業の業種によって異なってきますが、小売店であればど
 のような商品を価格帯はいくらで販売するのかを記載していきます。 飲食店であ
 れば、料理が1品いくらで客単価がどのくらいなのか記載していきます。 この欄
 は、➀~➂まで記載欄がありますが無理に3つ埋める必要はありません。2つな
 らそれでもかまいません。

4、取引先・取引関係等
 販売先は、個人・中小企業等と記載します。
 仕入先は、個人や会社名を記載し、会社である場合にはなぜその会社と取引が
 できるのかを説明できるようにして、相手先の名刺や注文書等があれば添付する
 とよいでしょう。
 また、支払い方法は現金なのか掛での取引なのかも記載してください。

5、従業員
 法人の場合は役員の人数
 法人・個人とも従業員を雇う場合にはその人数を記載します。

6、お借入の状況
 現に借入をしているものを記載します。 住宅ローン、マイカーローン、教育ロー
 ンなどの借入残高と年間返済額を記載します。

7、必要な資金と調達方法
 設備資金
 事務所、車両、パソコン、機械と記載し見積先と金額を記載します。
 
 運転資金
 仕入、通信費、消耗品費、交通費等の諸経費と金額を記載します。
 ※運転資金の金額は、6ヶ月分くらいの余裕を持った金額を記載しておきます。
  最初のうちは、売上げが思っていたよりあがらないこともあるためです。

 調達の方法
 自己資金
 自己資金はできるだけ多い方がいいです。
 ただし、自己資金は妥当性を問われるため本人名義及び家族名義の預金通帳で根拠
 を示せることが必要です。
 また、通帳に多額の入金がある場合も説明できるようにしておいてください。
 
 日本政策金融公庫からの借入
 ここに希望融資金額を記載します。
 
 ※必要な資金と調達方法の一番下の合計金額は、左右一致するように記載してくだ
  さい。

8、事業の見通し(月平均)
 事業の見通しは、創業当初と軌道に乗ったあとの2つに分けて記載します。
 売上高の予測はかなり細かく、なぜその見通しを立てたのか?根拠となる算式を入
 れながら記載していきます。

 販売業  1㎡当たりの売上高×売場面積
 飲食業  客単価×座席×回転数
 自動車販売業  従業員1人当たりの売上高×従業員数
 製造業  設備の生産能力×設備数

 上記のような算式をつかって、できるだけ細かく現実的な数字を記載してください
 い。

 売上原価、経費も上記で算出した売上をもとに金額及び内訳を記載します。

簡単に創業計画書の書き方をお伝えしましたが、創業計画書の出来が良くても面談でその内容を聞かれたときにこたえられなれば、融資が受けられない場合もあります。
面談までに創業計画書を見直し、矛盾点がないか、見積が甘くないか、自己資金の根拠をきちんと示せるかを確認してください。
次回のブログに、面談の内容、融資を受ることができたのかを書いていきたいと思います。